わたしは、紅茶と同じくらいコーヒーを飲みます。若いころはコーヒーに旨さを感じなかったのですが、社会人になってある日、ふとコーヒーを飲みたくなり、飲んでみたらものすごく美味しく感じて、それから一日に5~6杯飲むようになりました。やがて、そのコーヒー熱も冷めて、今は飲み物の選択肢の1つにコーヒーがある、という程度に落ち着いています。
コーヒーが好きになってよく飲んだといっても、豆を挽いて飲むほどには凝っておらず、インスタントを飲んで満足している程度でした。やがて飲んでいるうちに、コーヒーにも味の違いがあることに気づきました。わかりやすいところでいうと、酸味が強いものと苦みが強いものがあるのです。わたしは苦みがある方が好きです。また、砂糖やミルクは入れません。入れると口の中がさっぱりしなくなってしまうからです。
ある日、何かの本で、コーヒーの味の違いは、豆を煎る時間によるものであることを知りました。簡単にいうと、短時間の場合(浅煎り)は豆の成分が残るので酸味が残り、長時間の場合(深煎り)は豆の成分がとぶので苦みが強くなるようなのです。
それからは、喫茶店などで頼むときには、深煎りと説明されているものを注文するようになりました。
このように、少しだけでも違いを選別できるようになってくると、奥深さを感じ、おもしろくなってきます。
そんなとき、妻の友人からコーヒー豆をいただきました。妻はコーヒーを飲みません。また、普段インスタントしか飲まないわたしにとっても、さて、どうしたものか、というお土産でした。そうこうしているうちに、わたしがコーヒーを飲むことを知っている妻が、わたしのためにコーヒーサーバーとペーパードリッパー買ってきてくれました。豆はミルサーがあったので、それで細かくして飲んでみることにしてみました。
豆の量は、一杯分で12グラム位だということがわかり、二杯分をとり、ミルサーで細かくしてみました。はじめて自分で淹れたコーヒーということで、なんだかうれしい気分になったことを覚えています。しかし、コーヒーを淹れた後のドリッパーを見て妻が、「豆の形が残っているね」と指摘してきました。ミルで細かくするには、工夫が必要なようです。調べてみると、ミルを使う時に振りながらやる、という方法が一般的のようでしたが、ミルサーの使い方では、その方法は危険だとされていたので、多少面倒臭いのですが、2~3秒程度ミルサーを使ったら、ざるで濾して、残った大きな豆をまたミルサーに戻して…という作業を3回程度繰り返すことで、大きさを均一にしてコーヒーを淹れるようにしました。
飲んでみた感想は、うれしいし、おいしいとも思うのですが、「これが本当においしい味」と思っていていいのだろうか、実際はもっとコーヒー豆の潜在能力を引き出す淹れ方があるのではないか?という疑問も残りました。
そこで、コーヒーについて深く掘り下げて、おいしいコーヒーを淹れる方法も調べようと考えました。