コーヒー豆には、アラビカ種やロブスタ種といった品種があります。さらに、栽培している国や地域が、商品として売り出すときにつけるブランド名があります。このブランド名のことを銘柄といいます。
銘柄は、同じ国で栽培されている同じ品種であっても、地域が異なれば、異なる銘柄にすることもあるため、各国の生産地域で、無数に存在しています。ここでは、代表的な銘柄を以下に挙げていきます。
原産地はコロンビアです。標高1600mのアンデス高地で栽培されたもので、芳しい香りと深いコク、そして強い甘みのある銘柄です。コロンビアで採掘される宝石になぞらえ、エメラルドの名前がつけられました。焙煎度はハイロースト、シティローストが適しています。
原産地はラオスです。ラオスの象徴である象の名前を冠したこの銘柄は、標高1100mのボロベン高原で栽培されており、豆のサイズも大きく、厳選されているため欠点豆も少ないのが特徴です。 焙煎度は、ハイロースト~フルシティローストが適しています。
原産地はタンザニアです。酸味・甘み・コクいずれも優れたアフリカを代表する銘柄です。ミルクや砂糖をいれても風味が損なわれないため、エスプレッソなどにも向いています。焙煎度はシティローストやフルシティローストが適しています。
原産地はグアテマラです。フルーティーな香りがあり、酸味が少し強めで苦みもあり、甘みも強くコクがある、バランスのとれた銘柄です。少し混ぜただけで香りが豊かになることから、ブレンド用としても用いられます。ハイロースト、シティローストが適した焙煎度合です。
原産地はキューバです。標高1000mのエスカンブライ山脈で栽培されている高級銘柄です。品質が高く、水晶の産地である栽培地の名称をとってクリスタルとつけられています。まろやかな香り、酸味、苦みが特徴です。 焙煎度は、ハイローストやシティローストが適しています。
原産地はコスタリカです。サン・ホセ西部の山岳地帯で栽培された銘柄です。甘みとコクがあり苦みが少ないのが特徴です。 焙煎度は、ハイロースト~フルシティローストが適しています。
原産地はハワイ島です。豊かな香りと酸味が個性的な銘柄です。焙煎度はシティローストやフルシティローストが適しています。
コーヒーチェリーを食べたジャコウネコが排泄した未消化のコーヒー豆を、洗浄したものを集めた銘柄で、ジャコウネコの体内で豆を発酵させて独特の香りを付加するという特殊な作り方のため、生産量が低く、幻のコーヒーとして高価格で取引されています。味はすっきりとしています。焙煎度は、ミディアムロースト~フルシティローストが適しています。
原産地はコロンビアです。甘い香りと上品な酸味が特徴で、別名コロンビアマイルドと呼ばれます。特に南米産の豆とブレンドすると香りが際立ちます。 焙煎度は、ハイロースト~フルシティローストが適しています。
原産地はブラジルです。ブラジルコーヒーの代名詞とも言われます。酸味や苦みがやわらかく、さわやかな風味を味わえる銘柄です。 焙煎度は、ハイロースト~フルシティローストが適しています。
原産地はインドネシアです。ジャワ島、スマトラ島で栽培されているロブスタ種で、インドネシアを代表する銘柄です。苦みと酸味が強く、ブレンドのアクセントに用いられます。 焙煎度はハイロースト~フルシティローストが適しています。
原産地はインドネシアです。南スラウェシ北部のタナトラジャで生産されています。苦みと甘みのバランスがよい銘柄です。生産量が少なく、幻のコーヒーと呼ばれています。 焙煎度はシティロースト~フルシティローストが適しています。
原産地はジャマイカです。ブルーマウンテンの低地栽培版とも言えます。標高500~1000m付近で栽培されています。 焙煎度はミディアムロースト~シティローストが適しています。
原産地はブラジルです。香り高く酸味と苦みが程よく出ているバランスのよい豆です。主にブレンドコーヒーのベースに使われます。焙煎度は、ハイロースト、シティローストが適しています。
原産地はハイチです。標高800~1000mの松の木の森林地帯で栽培されています。マンゴやバナナなどと一緒に栽培されているため、フルーティーで高品質な銘柄として知られています。焙煎度は、ミディアムロースト、シティローストが適しています。
原産地はジャマイカです。上品な香り、コク、甘みのある、高品質な銘柄です。ブルーマウンテン山脈の標高800~1200mの特定の地域で栽培された豆にしか、この名前を冠することができないとされており、生産量がきわめて少ない高価な銘柄です。しかし、日本ではそれ以外の地域で栽培されたものであっても、ブルーマウンテンという名前を付けられているものが出回っており、一般的に売られているものは実際のブルーマウンテンではないことが多くあります。本来ならば、生豆で1kgに5000円前後の価格で取引されているため、一般用にもあまり出回らず、喫茶店などで飲むことはきわめて難しくなっています。焙煎度は、ミディアムローストやハイローストが適しています。
原産地はベトナムです。インスタントコーヒーや缶コーヒーの材料や、国内消費用に用いられています。強い苦みとコクがあります。 焙煎度はシティロースト~フレンチローストが適しています。
原産地はインドネシアです。スマトラ島の1000m以上の高地で生産されており、ほろ苦くまったりしたコクが特徴の銘柄です。1908年に流行ったさび病に耐えたアラビカ種をもとにしてスマトラ島のマンデリン族が栽培したのが始まりです。生産量はきわめて少なく高級銘柄として知られています。ストレートはもちろん、エスプレッソ、アイスコーヒー、アレンジコーヒーにも向いています。焙煎度は、シティロースト、フルシティーローストが適しています。
原産地はイエメンです。フルーティな香りがあり、特に日本では人気があります。焙煎度はハイローストやシティローストが適しています。
原産地はエチオピアです。標高2000m以上の高地で栽培された、滑らかな酸味と豊かな香りが特徴の銘柄です。焙煎度は、ミディアムロースト~フレンチローストが適しています。
原産地はエチオピアです。東部ハラー高原で栽培された銘柄で、甘くスパイシーな香りと強い酸味、深いコクが特徴です。焙煎度は、ミディアムロースト~ハイローストが適しています。
原産地はイエメンです。西部バニーマタル地区で生産されている銘柄です。豊かな香りに強い酸味が特徴です。 焙煎度は、ミディアムロースト~ハイローストが適しています。