ブルーマウンテンとは、コーヒー豆のブランドの一種です。ブルーマウンテンは、ジャマイカにあるブルーマウンテン山脈の、標高800~1200mの地帯で栽培されているコーヒー豆のことをいいます。標高800m以下で栽培されたコーヒー豆は、ノンブルーマウンテンと呼ばれており、「ハイマウンテンスプレモ」「ジャマイカプライム」など産地によって銘柄が区別されています。
ブルーマウンテンは、香りが強く繊細な味であるため、ブレンドをする際には香りの弱い豆と配合されます。
ブルーマウンテンは生豆で1kgあたり5000円ほどする(2013年度)高価な豆であるため、あまり喫茶店などに入荷することもなく、消費者の口に届きにくいコーヒーといえます。
しかし、「ブルーマウンテン」という名前を冠したコーヒーは缶コーヒーなどでもあります。このような多くの「ブルーマウンテン」コーヒーは、実際には標高800m以下で栽培されたコーヒーであるにも関わらず、ブルーマウンテンの傍で栽培されているので、ブルーマウンテンと名付けられていたり、少量のブルーマウンテンにそれ以外の銘柄をブレンドすれば名乗って構わないという解釈をしていることがあるので、消費者が口にしているコーヒーが「本物」のブルーマウンテンではないことがよくあります。
日本では特にブルーマウンテンを崇拝する傾向にあります。これは、1936年に初めて輸入されたときに、「英国王室御用達」というキャッチフレーズをつけて、高級品というイメージを打ち出して販売したことによるようです。しかし実際は英国王室御用達であるかどうかはわからず、当時、ジャマイカがイギリス領であるために、英国王室でも飲まれているだろうという推測によってイメージ付けされていたようです。まったく根拠のないことであるにも関わらず、テレビCMで大々的に宣伝されたために、この英国王室御用達というブルーマウンテン神話ができあがりました。
ブルーマウンテンを神格化しているのは主に日本で、生産量の9割方は日本が輸入しています。