ブラジルは、中南米に位置する人口約1億7千万の国で、正式名称はブラジル連邦共和国です。首都はブラジリアで、1822年にポルトガルから独立したため、主要言語はポルトガル語がつかわれています。国土は851万平方キロメートルで日本の約23倍です。、通貨はレアルといいます。
国土の60%以上は高原地帯で、北部は熱帯雨林、中部は亜熱帯地帯、南部は温帯地帯で、世界最大のコーヒーの産地として知られています。ブラジルの中でもミナスジェライス州は全生産量の53%を占めています。
1727年、エチオピア原産のコーヒーがヨーロッパ、アンティル諸島、ギアナを経由して、ブラジル北部にもたらされました。1761年に、リオデジャネイロにコーヒーノキが移植され、ブラジルでも本格的にコーヒーの栽培がされるようになりました。その後、ヨーロッパの需要拡大に伴い、ブラジルのコーヒー生産量は増大し、1850年にはそれまで生産量トップだったジャワ島を押しのけ、世界最大のコーヒー生産国及び、輸出国となりました。
ブラジル国内においては、18世紀半ばから19世紀半ばまではリオデジャネイロにおいてコーヒー栽培が栄えましたが、その後20世紀半ばまではコーヒー栽培の中心地はサンパウロ高原に移動しました。第二次世界大戦中にはパラナ州にうつり、1960年代にはブラジル全体のコーヒー生産量の60%を占めるまでになりました。しかし、1975年の大霜害によってパラナ州でのコーヒー栽培は大打撃を受け、その後ミナスジェイラス州、エスピリトサント州、バイア州に移動していきました。
ブラジルでは、9~12月がコーヒーノキの開花期です。開花してから6~8か月で緑色のコーヒーの果実は赤くなり、深紅色に熟します。ブラジルでのコーヒーの収穫時期は5~8月に及びます。収穫には人手を使っており、60キロ入りの麻袋に詰めます。
ブラジルではコーヒー豆の精製には、非水洗式(アンウォッシュト)を採用していることが多く、コーヒー豆の風味が損なわれにくいとされています。年間で60キロ入り麻袋250~300万が生産されます。
ブラジルはコーヒー先進国と言われており、様々な品種改良や栽培方法が開発されており、生産量、病害虫対策、品質保持・向上を検討し、農業の安定をはかっています。
ブラジルは世界最大のコーヒー生産国であるとともに、世界第2位のコーヒー消費国でもあります(第1位はアメリカ)。しかし、ブラジルで栽培されているおいしいコーヒーのほとんどが輸出に回され、外貨獲得の手段にされています。国内で消費されるコーヒー豆は風味の落ちる豆が使用されているといわれています。