ハゼとは、コーヒー豆を焙煎するときに出るパチパチと爆ぜる音のことをいいます。このハゼは、段階を追って起こるために、焙煎の単位として用いられます。
生豆を加熱すると水分が蒸発し、徐々に乾燥していきます。生豆が一定の温度に達すると、蒸気圧が高まり、湿った感じのパチパチという音で、連続して爆ぜます。これを最初のハゼ、1ハゼといいます。火力を強くしすぎると、生豆の内部まで乾燥するまでに爆ぜてしまい、外側が乾燥しているのに内側は水分を含んだ状態になり、うまく風味を引き出せません。また、火力が弱すぎると爆ぜるのに十分な水分が失われてしまい、爆ぜが起こらないこともあります。
1ハゼが終わった後にさらに加熱していると、今度はコーヒー豆の細胞が膨張し始め、さっきよりも高く軽やかなピチピチという音になります。これを2ハゼといいます。2ハゼの時点で深煎りの段階に入ります。
コーヒー豆の焙煎はこのハゼの音を頼りに、煎ることで、浅煎りから深煎りまでをコントロールします。これには熟練が要求されます。