インスタントコーヒーとは、コーヒー豆から抽出したコーヒーを乾燥させて、粉末状に加工したものです。適量の粉末をカップに入れて、お湯を注ぐだけでコーヒーになります。
1899年に、アメリカ、イリノイ州シカゴに在住していた日本人科学者のカトウ・サトリ博士が、コーヒーの抽出エキスを真空乾燥する技術を発明したことがインスタントコーヒーの始まりです。この技術は、1901年に、ニューヨーク州バッファローの、パンアメリカン博覧会で「ソリュブル・コーヒー」(可溶性コーヒー)として発表されました。
インスタントコーヒーは1938年にネスレ社が「ネスカフェ」というブランド名で販売しました。日本では、1950年代に輸入されました。
インスタントコーヒーの製法には、フリーズドライ製法とスプレードライ製法があります。
フリーズドライ製法は、濃縮したコーヒーを零下40度で凍らせて、細かく砕いたうえで真空状態にして水分を蒸発させます。低温で処理するため、コーヒーの風味が失われにくいのが特徴です。これによりできたコーヒーは粒が大きく、水では溶けにくく、お湯で溶かします。インスタントコーヒーの中でも高級とされるブランドに採用されています。
スプレードライ製法は、濃縮したコーヒー液を高温にした鉄板に吹き付けて蒸発させて、残った粉を集める方法です。粉は細かくなり水でも溶けやすくなります。製法が単純で大量生産できるため、安価なインスタントコーヒーに採用されています。
このほか、インスタントコーヒーとしては、濃い液を薄めてコーヒーにするものもあります。