トレーサビリティとは、日本語では追跡可能性と訳されます。物品の流通経路を生産段階から消費者の手に届く(または廃棄処分される)まで、知ることができる状態であることをいいます。
流通経路のたどり方には、流通履歴を時系列に遡るトレースバックと、時間の経過に沿って追っていくトレースフォワードがあります。
トレーサビリティを実現するには、時刻、重量、名称、記号などを定量的に記録する必要があり、そのためには記録を人の手で正しく行われなければなりません。つまり、トレーサビリティにはそれを構築する側のモラルが多分に問われます。
食品のトレーサビリティが注目されるようになったのは、遺伝子組み換え食品や産地偽装、BSE問題などが世界的に発生し、食の安全に対する不信感が取りざたされるようになったためと考えられています。
コーヒー豆におけるトレーサビリティとしては、産地(農園)の栽培環境や運営状況、使用している堆肥・農薬の種類と量、流通経路、流通過程における管理状況などがあります。こうした整備されたトレーサビリティに則ったコーヒーを認証する国際基準として、Good Inside認証コーヒーがあります。