ベトナム式コーヒーは、3層式の専用フィルターを用いて抽出し、コンデンスミルクを入れたカップにコーヒー液を注いでいただきます。
ベトナムはフランスの文化から影響を受けており、カフェオレを飲む習慣がありました。しかし、カフェオレをつくるために必要な牛乳が、気候が暑いために不足し、その代わりにコンデンスミルクを使用するようになったと言われています。3層式のフィルターもフランスで伝統的に使われているフィルターでアルミニウムまたはステンレス製で、底に細かい穴を無数にあけたものです。このフィルターは3層になっているため抽出には5~10分かかります。時間がかかる分、濃く抽出されます。そのまま飲むと非常に苦いため、コンデンスミルクを入れているともいいます。また、ベトナム南部では生乳を代わりに用います。
ベトナム式のコーヒーは、チコリーを加えて、フレンチロースト程度の深煎りにした豆を粗めに挽いて抽出します。また、焙煎時にバターを加えて真っ黒に焙煎します。
ベトナムにコーヒーが入ってきたのは、19世紀で、フランスの植民地となると同時に、コーヒーの栽培も始まりました。主にロブスタ種を栽培しており、その生産量は常に上位に入っています。現在ではアラビカ種も少量栽培しています。